26 Jan 2018
私は、うつ病を克服して2年ぐらい経ちますが、初期の段階の時は、今から思い出すと恥ずかしいほど訳の分からないことを言っていた気がします。
一番最初に診断を受けた時に、主治医に言われたことは今でも覚えています。それは、
「変なこと考えないでください」
というものです。
変なこと
当時、主治医の言う変なことと言うのは、自死を選んではいけないと言うことだと解釈しました。
その頃は、自死のことがふとした時に頭によぎるのです。
「このまま生きているのが辛い」
「いっそのこと死んだほうがマシだ」
こんな風に、いつも考えていた訳です。ですから、このことを主治医が指摘しているのだと思いました。
ですが、主治医は、そう言うことも含めてもっと別のことを言っていたのです。
離婚してはいけない
妻は、私がうつ病で苦しんでいるときにも一生懸命に家計のやりくりや子供達のあれやこれやを頑張ってくれていました。
それは、とてもよくわかっていたのですが、うつ病になってしまっていた私は、なぜか妻が私を避けているように感じてしまっていたのです。
当時の記憶が曖昧なのですが、きっと
「もっと俺を見てくれ!!!」
と思っていたのだと思います。
頭では、妻が色々と大変なことも理解しているのです。ですが、もっと私を中心に考えて欲しいと思っていたのです。
その思いは、日に日に強くなり、ある日妻に向けて暴言を吐いてしまったのです。
「俺のことは大事じゃないのか!」
と。
かなり強い口調で言ってしまった。妻は、寂しそうな顔をして一言呟きました。
「離婚するつもりなんてないから・・・」
私は、その言葉を聞いてハッとしました。そうなんです。私の心の中では、離婚も考えていたのです。
主治医の言っていることに、ようやく気づきました。大きな決断をしてはいけないと言うのは、このことだったのか、と。
うつ病の初期の段階では何故か余計なことを考えてしまう
このようなことがあって、数日経ち、診察に行って、今回の出来事を主治医に相談しました。
すると先生は、その程度で済んでよかったと言ってくれたのですが、うつ病の初期の段階では、どうしても攻撃的に考えていまい、余計なことを言ってしまう恐れがあるとおっしゃっていました。
多分、抗うつ剤の副作用も多少は影響していると思うのですが、どうしてもうつ病の初期の段階では、普段思ってもいないことを思ってしまい、行動してしまう傾向があると思います。
今、私は、月に2〜3回程度、うつ病患者さんのカウンセリングをボランティアでしているのですが、私とよく似た症状の方は本当に多いです。
特に多いのが、
・会社を辞めたい
・離婚したい
この二つです。
この二つが自分自身にもっとも大切なことは、みんな分かっているんです。分かっているんですが、普段一定程度我慢している側面もあるので、そのように思ってしまうのでしょう。
あ、それともう一つありました。
・親族との決別
両親だったり、兄弟だったり、ですね。
あと、面白いのは、ペットを飼いたいと言う人もいますね。誰も俺のことを分かってくれないって思ってしまうので、従順なペットを飼いたいと思うのだと思います。
決断はせめて2年後にしてみましょうか
うつ病の初期の段階で、色々と考えてしまい、普段なら決して取らない行動をとってしまう。
会社を辞めるとか、離婚するとか、そう言うのを考えるのは、うつ病が少し改善されてからもう一度考え直しましょう。
勢いで決断してしまうと元に戻れなくなります。
私の経験では、うつ病が落ち着くのは、人によって違うと思いますが、1年から2年は時間が必要だと思います。
今、決断しないで、1年後、2年後にもう一度考え直すといいと思いますよ。何故なら、会社だって、奥さんだって、うつ病になってしまったあなたを心配しているのですから。
結局のところ
うつ病になってしまうと世界中の不幸を一人で背負っているような感覚になってしまいます。
冷静になればわかりますが、うつ病で苦しんでいる人はたくさんいるし、みなさん、踏ん張っている。
もっと考えれば、飢餓や戦争状態で食べるものさえ手に入れられないみなさんも多い。
そんな風に考えることができれば、うつ病になってしまったからと言って悲嘆に暮れてしまうことはありません。
まず、自分がうつ病になってしまったことを受け入れて、そして、次の一歩を探ることが大事だと思います。
私の場合、幸いにして、ネットビジネスに出会えたことで、人生さえも変えてしまいました。
なので、今では、うつ病になって良かったとまでは言い切れませんが、貴重な体験をしたなと思っています。
一番最初は、受け入れること、でしょう。
受け入れることが難しい時は
自分がうつ病になってしまい、それを受け入れるとことが難しい人も多いはずです。
ボランティアカウンセリングをしていて、そういう人もいらっしゃいます。でも、誰かを恨んでもしかたがないし、置かれた状況は、すぐに変えられない。
わかりますよ。なんで俺がこんな風になったんだ!って思う、その気持ち。
うつ病を受け入れることが難しい時は、少しでもいいので気分転換を心かけましょう。一番のオススメは、散歩と読書です。
散歩は、視野を広くして歩くのです。すると今まで気づかなった風景が目に飛び込んできます。さらに、空や雲や花などをじっくりと観察すると美しいと思えます。
さらに、空を見上げていたりすると、空の大きさがよくわかりますし、花をみていると花も一生懸命に咲いているのがわかります。
また、読書ですが、好きなジャンルならなんでもいいと思います。私は、自分を見つめ直すために「7つの習慣」を手にしましたが、歴史書でもいいし、小説でもいい。
本を読むと本の世界に没頭てきます。すると、自分が主人公に置きかわり、本の描写がとてもよくわかります。
オススメは散歩や読書ですが、それがスポーツでもいいと思います。
とにかく、少しでも気持ちをうつ病の自分から離すことです。すると自分自身を客観視できるようになりますので、今の自分の状態を受け入れることができます。
受け入れることができたら
うつ病を受け入れることができたら、感謝しましょう。
そばにいてくれる大切な人はもちろんですが、今、生きているのは、親がいたからですし、もっと言えば、この国があるからです。
今までの人生において関わった人すべてに感謝する。
そうすることで、間違いなく自死という選択は避けられます。私は、うつ病で友人を3人亡くしています。
一人は、大好きな先輩でした。その先輩は、事業をしていたのですが、すべての責任を取る形で逝ってしまいました。
葬儀にも行ったのですが、奥様や子供さんがむせび泣いているのを見て、心が痛みました。友人たちもみんな泣いていました。
冷静になれば誰でもわかることなんです。授かった命の期限を自分で決めてしまう行為は、多くのみなさんを悲しませます。
これって、そういう行動を取った人も本意ではないでしょう。
なので、うつ病を受け入れることができたら、感謝することから、次の一歩を踏み出すべきです。
お役に立てるかどうかわかりませんが・・・
私は、うつ病の初期の段階で知らないうちに、自死を選ぼうとして行動していたことがあります。
ある日、少し遠出して散歩に行って見たのです。当時、乗っていた車は、旧式のジムニーでした。
ジムニーは、小さいですが、牽引力がありましたので、牽引用のロープを積んでいました。
目的地について、普通に散歩をしていたのですが、なぜか見知らぬ人が、そばに寄ってきて、一緒に歩きましょうと言う。
不思議に思ったのですが、私は、なんとその牽引用のロープを持って、山の中を歩いていたのです。
自分でもそんなつもりはありませんでした。表向きの気持ちの中では全くです。
そして、その見知らぬ人と一緒に歩いて、車を置いてある場所に戻った時に、ロープを持っていることに気づきました。
きっとその方は、私が首を吊ってしまうと思ったのでしょう。
そうなんです。周りにいる多くの皆さんは、みんな親切です。ですから、うつ病だと一人きりとか勝手に思ってしまうのですが、一人じゃないんですよね。
私は、それに気づいたので、とても気持ちが楽になって行ったのです。
最初は、辛いし、きつい。でも、きっと光は必ずまた上ってきます。
踏ん張りどころは、踏ん張るべきでしょう。
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