大切な家族がうつ病になってしまった時の接し方〜経験談 | Enjoy! Netbusiness

大切な家族がうつ病になってしまった時の接し方〜経験談

私は、自分自身がうつ病になってしまったので、どのように家族に対して接すればいいのかというのは、身をもって経験しているわけじゃありません。

今回は、私がうつ病と診断された時の家族が私に接してくれたことを備忘録として書いていきます。

うつ病と診断された時

私がうつ病と診断された時には、妻も子供達も驚いたようです。

驚いた原因は、そもそもうつ病を知らなかった、からです。知らない病気に家族の大黒柱がなってしまったのですから、対処の仕方も接し方もわからないのは当たり前ですよね。

妻は、当時、流行っていた漫画を書いました。今でもそのタイトルは忘れられないのですが、

「ツレがうつになりまして」

という漫画です。映画にもなりましたので、ご存知の方も多いと思います。

これは、漫画ですので、妻が読み、長男が読み、下の娘が読んで、まずうつ病が「なんなのか」ということを理解するようにしていたと思います。

私は、うつ病ですから、最初は、怖くて読めませんでしたが、少し回復してきて読んだら、とてもうつ病のことをしっかりと作者が受け止めていて素晴らしいと思いました。

で、理解しようとしてくれる姿勢が嬉しかったのをよく覚えています。

日常生活では

日常生活では、家事分担を普通以上にしました。

これも、妻からの提案で、仕事もせず、ただただベッドに横になっているだけでは、余計なことを考えてしまうからということでしたが、これには救われました。

というのも、うつ病になってしまうとなぜかわかりませんが、「疎外感」が半端じゃないんです。

普通に生活しているだけで、私と私以外の家族が対立しているようなそんな気持ちになってしまうので、家事の分担は、嬉しかったことを覚えています。

もちろん、面倒なこともありました。洗濯物を干すのはいいけど、畳んでしまうのが面倒だとか、食事の用意をするのはいいけど、後片付けが面倒とかですね。

でも、些細なことですが、それらをやることで会話が増えます。

会話といっても、「ありがとう」とか、「助かるわ」とか、こんな感じです。最初は、確かこの程度だったと思います。

診察に一緒にいく

私は、初期の段階で30日間の入院生活を送ったのですが、退院してからの通院に妻が必ず付き添ってくれました。

主治医ができれば妻と一緒にと提案してくれたからなのですが、9時に診察が始まるので妻と二人で8時過ぎには病院に着くように家を出て、診察券を受付に渡してから近くにあるファミリーレストランで、一緒にコーヒーを飲むのが習慣になりました。

たまには、トーストなども頼んでいたと記憶していますが、診察を一緒に受けてくれるということが嬉しかったものです。

そして、診察室では、主治医の先生に私がうまく病状や現状を伝えられないと代わりに説明してくれます。

これには、主治医の先生も家族の協力があるからと私が変なことをしないと確信してくれたようです。

今でも、主治医の先生は、当時の頃を家族のおかげなんだから忘れずにねと言ってくれます。

夜寝る前には

うつ病は、病院から睡眠薬を処方してくれますので、それを飲んで就寝するのですが、睡眠薬を飲むとカラダのバランスが崩れてしまって、よく転ぶのです。

当時の我が家は、ドアにガラスが埋め込んであり、転んでドアにぶつかると怪我を負ってしまうことがよくあったのです。

擦り傷程度ならいいのですが、ガラスが飛び散ってしまい、深い傷を負ってしまったことも数回ありました。

ですので、私がちゃんと寝付くまで、見張りをしていたわけじゃないと思うのですが、私の部屋でテレビを一緒に見てくれていました。

私は、薬を飲んでいますから、テレビを見ながら寝落ちするのです。

どうやら妻はそれを見てから、夜の寛ぎの時間を楽しんでいたようです。

子供達は

子供達も随分と気遣ってくれていたと思います。

特に、娘は、私の表情で症状が良い悪いを判断していたのですから驚きます。

ただ、子供達は、強い父親がいきなり弱い人間になってしまったので、悲しかったようです。

特に、娘は、敏感でしたから、どんどん人間として弱くなっていく父親を見るのが辛かったと思います。

でも、私は、妻の前でも子供達の前でも無理をせず素の自分をさらけ出しました。

そうすることで、私も落ち着くし、子供達もよそよそしくなく接してくれると思っていました。まあ、この辺りのことは、今だからこそ言えることですが。

今だから言えるけど家族がうつ病になってしまったら

まずは、冷静に受け止めるということが大切でしょう。

特に、うつ病は、病気になった当事者しかその辛さはわかりません。そして、多くの場合、誤った認識をもっています。

なので、家族がうつ病になってしまった場合は、できれば一緒に診察を受けると良いでしょう。

先生だけではなく、看護師さんやカウンセラーさんなどが親切に接し方を指導してくれます。

そして、余計なことを考えずあえて普通に接する

うつ病は、それが原因で死に至るまでの病気ではありません。しかし、極度の疲労やストレスや現実からの逃避のために自死を選んでしまう場合があります。

部屋の中で一人ずっとベッドに横になっていると、余計なことを考えてしまうものです。

ですから、仕事をするのは無理だとしても自分でできることはするべきですし、やってもらうべきでしょう。

面白いもので、うつ病になってしまうと無頓着になってしまう側面があります。風呂に入らなくても気にならないとか、毎日着る服も同じでいいとか、です。

お風呂に入るのも、服を変えるのも普段通りにする。もちろん、食事の時間も普段通りにする。

うつ病は、夜熟睡することが難しいこともあるので、どうしても昼間の時間に眠くなってしまう場合があります。でも、できるだけリズムよく規則正しく生活をしていれば、余計なことを考える間も無く1日が過ぎていきます。

うつ病になってしまったからと言って、腫れ物に触るようなそんな感じで接しないことがとても大切だと思います。

よく理解する

先ほども触れましたが、うつ病をより理解することはとても重要です。

そもそもどんな病気なのか知らないと対処の仕方、接し方がわかりませんよね。

うつ病は心の持ちようだとか、気持ちの問題だとか、言い放つ方がいらっしゃいますが、それらをコントロールできないからうつ病なんです。

もし、家族がうつ病になってしまったら理解することから始めるのがいいでしょう。

すると、その理解しようとする姿勢をみて、うつ病をもってしまった家族も安心するんです。こういう小さなことが回復に導くものだと思います。

焦らない

うつ病は、なってしまった本人が一番焦っています。

早く今の苦しい状況から抜け出したいと思っています。ですから、周りに家族が本人よりも焦ってはいけません。

私は、うつ病が落ち着くまでに2年ぐらい必要でした。そして、完治するまでに、8年必要でした。

うつ病は、短期間で克服しようとすると焦りが焦りを呼んでしまい、悪化してしまうこともしばしば聞きます。っていうか私も焦ってしまい悪化させてしまった経験があります。

うつ病をもってしまった本人も辛いのですが、家族も辛い。焦ってしまうことはわかります。

でも、長い目で治療するということをまずは受け入れないと快方には向かいません。

なので、うつ病をもってしまった人もそうですが、家族もそれをまず受け入れることが何よりも重要だと思います。

うつ病を改善する方法

うつ病を改善する方法は、下記の記事に詳しく書きましたので、ご覧ください。

今回、この記事で強調したいことは、うつ病は、長くお付き合いするという覚悟が必要だということ。

さらに言えば、うつ病を持ってしまったら、気持ちをコントロールできるようにすることです。

うつ病は、今までできたことができなくなってしまったり、急に感情が湧いてきて涙があふれたりと気持ちの波があります。

このような気持ちをまるで第三者のような目でみて、コントロールする力が必要になってきます。

これは、うつ病を持っている本人もそうですが、家族も同様だと思います。特に家族は、そっと見守るというスタンスを崩してはいけません。

一緒になって、気持ちに波を作ったりしていては、家族の方が先に疲弊してしまう恐れさえあります。

まとめ

家族の誰かがうつ病になってしまったら、慌ててはいけません。

家族も辛いですが、本人が一番辛いのです。だからと言って、病気を持っているからと何もかも役割分担を奪ってしまうのは、改善の方向に向かうことが難しくなります。

日頃と何一つ変わらない、そんな風に接するのが一番だと思います。

ただ、うつ病を持っているとやはり動けなかったり、何もやる気が起きない時ってあるので、柔軟に対応することが必要になってくると思います。

また、うつ病をちゃんと理解することも重要になります。うつ病を持っていると疎外感を強く感じてしまいますから、やはり寄り添うためにも理解が必要になるのです。

決して突き放すようなことだけはしないでください。家族がうつ病患者を突き放しているつもりはなくても、そう思ってしまう場合があるからです。

あと、できれば一緒に診察を受けてみるのも有効だと思います。精神科に行くと他の患者さんをウォッチすることができますから、冷静に家族を見守る目が養われると思います。

うつ病は、長期戦です。焦らず、確実な一歩を踏んでいきましょう。

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