8 Jul 2018
うつ病を持った家族は限界を超えて向き合わない方がいい
私がうつ病になってしまったとき、我が家は、子供たちが育ち盛りで妻は私の病気と向き合える時間がなかったのかもしれません。
ですが、その対応がよかったんだと今では思っています。
うつ病患者が家族にいると
私は、当時のことを鮮明に覚えているわけじゃありません。
というのも、うつ病を発症してすぐに、入院したし、薬も強いものだったからです。
薬を飲むと目が虚ろになり、ろれつが回らない。私は、それでも薬の効果を信じて服用し続けました。
おまけに、気持ちの中では、
「俺の味方は誰もいない・・・」
とずっと思っていました。
というのも、妻は、私の症状がひどい時は、少し距離を置いた風に接していたからです。今から思うと、毎日毎日、死にたいと言っている旦那のそばにいるのが大変だったのでしょう。
そんな旦那のそばで旦那を励ましたりするよりも、子供たちの育児でそれどころじゃなかったというのが真相だと思います。
真剣に離婚まで考えた
私は、妻が私と一緒にうつ病に向き合ってくれないので、価値観が違う、そもそも愛情が薄れてしまった、という変な気持ちにどんどんなっていきました。
ただただ、そばにいて欲しいときにそばにいてくれないので、勝手に家族の中で孤立してしまっていました。
もう限界だと思って、離婚して、新しい人生を歩むことを真剣に考えていました。
離婚して、子供達は、妻に任せ楽になりたいと独りよがりに考えてしまっていたのです。
ですが、主治医の先生から、病気が改善されるまでは大きな決断をしてはいけません、と言われていたので、離婚という言葉をグッと飲み込んで過ごしていました。
離婚という言葉を言ってしまった
主治医から、離婚なんて考えないように、と言われていたのに、ある日、ついに離婚しようと妻に言ってしまいました。
恥ずかしい話ですが、その日、寂しくて寂しくて仕方がなかったので、一緒に寝て欲しいと頼んだのです。
すると、妻は、疲れているから、と私の顔を見ずに答えてきた。
その言葉に対して、そんな冷たい気持ちなら離婚した方がお互いのためだと言い放ってしまったのです。
妻は、私の言葉に泣きながら、私は、そんなこと一度も考えたことないよって言うのです。
さらに、続けざまに、もっと優しい気持ちに戻ってと言ってきました。そう言われてしまうと返す言葉も見つからずに、ただ「ごめん」と言うのが精一杯でした。
限界だったんだなと思った
それからは、妻や子供たちに対して、自分ができることをやって行こうと思い直したのですが、どのように気持ちを持っていけばいいのかわからずに苦労しました。
ある日、中学生だった娘が
「お父さん、今日、調子悪いでしょ?」
と聞くのです。
なんで?って聞いたら、顔色が悪いし、用意した夕食に味気がないと言うのです。
子供たち、特に娘には、普通に接しているつもりでした。しかし、娘は、娘なりに私の体調を心配していたんです。
そこで、ようやく気づきました。
妻も子供たちも私のことを心配しているんだなって。
それから、私が妻の立場だったらどうするか?と考えて見たのです。家族は、うつ病を知りません。だから、きっとどのように接すればいいのか、わからなかったのだと結論付けました。
そして、私が感情に任せて何かをしてしまうことをハラハラと見守っていたんだともわかりました。
限界だと思っていたのは、私だけだったのです。
家族は、限界だと思っても
今だから冷静になってお話ができるのですが、家族がうつ病になってしまうとそもそもうつ病がわかりませんから、接し方もわからないでしょう。
うつ病患者と向き合うなんてことはなかったのですから、きっと戸惑っていたはずです。
だから、もう限界だとか、もうダメだとか、そんな風に考える前段階だったのだと思います。
うつ病患者である私が勝手に、もう限界だと思っていただけのこと。
独りよがりは、うつ病のせいだと思う
結局、うつ病になってしまうと攻撃的になったり、あるいは無理難題を言って見たりしてしまうものですが、そもそもうつ病になってしまうと
「俺に関心を持ってくれ」
と言う独りよがりな気持ちになってしまう。
思い出すのも恥ずかしいけど、うつ病になってしまったとき、なぜかわかりませんが、友人たちに電話をかけまくり、自分の不幸を語ってしまっていました。
そんなことすれば、家族以外の友人たちは、去っていきます。
妻が通っていた美容院にも髪を切りに行って、死にたいとか言ってしまう始末。
誰かに助けて欲しいってただそう思ってしまう。でも、家族は、そばにいてくれるものの誰も自分を助けてくれたりしないと言う現実。
これに向き合えるかどうか、でその後の人生が大きく変わっていくと思います。
私は、自分を変えたいと思って、なんとか踏ん張って今があります。踏ん張ったのは、私ですが、そんな私を遠くから見守ってくれていた家族には、感謝しかありません。
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