28 Feb 2018
私がうつ病を発症してしまったのは、2008年のこと。
当時は、今から考えても人生最悪どん底状態だったと思うのですが、強烈な心の負担が一気にかかってしまい、うつ病になってしまいました。
最初の診断で
うつ病かもしれないとは、薄々気づいていましたが、元々の性格は、ポジティブで積極的な自分が、まさかうつ病になるなどと思いたくなかった。
しかし、病院で診察を受けたところ、すでに重度のうつ病と診断され、即入院ということになりました。
今でも、覚えているのですが、医師から「うつ病です」と言われた時は、
「やっぱりそうか・・・」
という妙な安堵感と
「うつ病かよ、恥ずかしい・・・」
という相入れない二つの感情がありました。
やっぱりそうか・・・
精神科に行く前に、近所の内科に行って、症状を伝えた時に、そこの先生から、「心が疲れている」と言われていたので、ある程度の予想はしていたのです。
また、これまで生きてきた人生の中で、味わったこともないようなカラダの異変を感じていたので、もしかしたら、うつ病ではなく、もっと命に関わるような、そんな病気だったらどうしよう、という気持ちもありました。
なので、安堵感みたいなものがあったのですね。
さらに、カラダもそうなのですが、頭というか、思考ですね、これがともかく、最悪だったのです。
というのも、人生のどん底を体験していたので、そこから普通なら抜け出すための工夫なりをすると思うんです。
ですが、逃げたいという気持ちだけが大きく支配していました。
それまでは、困難が目の前にあっても、それを乗り越えるよう努力をしていたという自負があったので、逃げたいと思ってしまう、そんな気持ちが許せなかった自分もいました。
逃げたいから死にたいへと気持ちが変わってしまった
いっそのこと全部投げ出して、誰も知らない土地で一人で生きていこうか、とも考えました。
しかし、現実は、まだ小さな子供の養育を放棄して、一人でどこかに行ってしまうというのは、無理な話です。
うつ病だとわかっても、頭が動かない。
一体どうすれば良いのか、それさえ思いつかない。
こんな状況が続くうちに「死にたい」と思うようになっていってしまったのです。死にたいと思っても、実は、そうは簡単に死ねるはずもなく、生き延びていたのですが、毎日、毎日、考えることは、死にたいということばかり。
結局、未遂を3回しているのですが、3回とも誰かが助けてくれるだろうという気持ちが心の奥底にあったと思います。
うつ病かよ、恥ずかしい・・・
私は、それ以前は、うつ病とは全く無縁の生活を送っていましたので、うつ病という病気自体を理解していませんでした。
当時は、うつ病なんてものは、気持ちの問題で、単なる怠け病、臆病者というイメージでしからなかった。
ですので、うつ病と診断された時に、
「俺も怠け病ってことか・・・」
と思ってしまったのです。
今でこそ、人には、休息が必要な時もあるし、心の変化というのは、よくわかるのですが、でも、怠け病になってしまった自分が恥ずかしいと思ってしまいました。
家族には、打ち明けることができましたが、親や兄弟にも自分がうつ病であるということを言えなかったのがその証拠です。
ただ、恥ずかしいと思ってしまった。
うつ病を受け入れることがとても大切だと思った
私は、初期の段階で30日間入院しました。
その時に、私は、この病院の中で最悪な状況の一人だろうな、と思っていたのです。
ですが、実際に入院してみると、私よりももっと精神疾患が重く、言葉は悪いですが、人とは思えないような患者さんさえいたのです。
重症患者は、薬でコントロールされていましたが、はたから見ても「異常な人たち」でした。
その時に、思ったのです。
「この程度でよかった」
と。
ですが、固定概念でうつ病は、怠け者という思い込みがあったので、自分を攻め続けていました。
その時点では、まだまだうつ病を私自身が受け入れることはできていなかったのです。
うつ病を言い訳にしてしまった
うつ病を発症してから、私は、通院さえしていれば改善されると思っていました。
なので、2週間に1度は必ず通院していましたし、処方された薬は決められた時間に服用していました。
しかし、一向に改善される気配はないのです。むしろ、思考はどんどんネガティブになっていくのです。
当然ながら、生活面でも、仕事面でも、うまくいくはずがありません。
私は、うまくいかないことを「うつ病のせい」にしていました。例えば、朝、ちゃんと起きることができないことをうつ病のせいにしてみたり、家事の分担ができないこともうつ病のせいにしてみたり、と言う具合です。
その時は、うつ病のせいにしているとは思っていなかったのですが、ある日、娘から「お父さんはめんどくさい時はいつもうつ病だよね」と言われてハッとしました。
確かに、娘の指摘は的確でした。私は、ちょっと面倒だなと思うとやらない理由を「うつ病だからできない」と自分で自分に言い聞かせていたのです。
うつ病を受け入れようと思った
通院してから、5年ぐらい経ってようやく、うつ病とは長い付き合いになると言うことがわかりました。
診察を受けても、薬を飲んでも、何も変わらない。
だったら、うつ病でも、いや、うつ病だからこそできることをしてみようって、そんな風にようやく思えたのです。
これには、理由があって、診察室で主治医に色々なことを話をするわけです。すると先生は、「あなたね、そんな暗い顔していたら周りが滅入るし、何も新しいことなんてできないわよ!」と強い口調で言われ続けていたのです。
私自身は、自分で暗い顔つきをしているとは思っていませんでしたが、私が話すことは、愚痴やため息ばかりで、先生の目から見て、うじうじしていると映ったのでしょう。
そんな経緯があって、ずいぶん遅いですが、うつ病を受け入れようと思ったのです。
うつ病を言い訳にしないでやっていこうと思った
私は、事業に失敗してしまった過去は消せないけど、未来は、変えられるかもしれないと思うようになってきました。
それは、うつ病を受け入れようと思った時から、少しずつ、未来について考えられるようになったのです。
今までの人生を振り返り、過去の栄光じゃありませんが、うまく楽しくやっていた頃を思い出し、もう一回頑張ればなんとかなるかもしれないと思うことができた。
そして、うつ病だからできないと言う言い訳を封印しようと決意したのです。
今までは、家事の分担にしても、何にしても、うつ病だからできない、とうつ病のせいにしていたのですが、ここを気持ちで乗り切ってやろうって思ったのです。
ここで、うつ病を心から受け入れることができたのです。
うつ病を受け入れるためにとった行動
いくつかありますので、私の経験をお話しします。
うつ病は病気である
うつ病は、決して怠け病ではなく、医学的な根拠に基づく病気であると考えるようにしました。
ですので、難しくなさそうな、うつ病に関する本を数冊読んでみたのです。
その中には、うつ病は、脳の働きがどーのこーのって書いてある。そして、責任感が強い人や真面目な人がどちらかと言うとなりやすい病気だと言うことがわかった。
なので、私は、「あ、真面目で責任感が強いんだな」と思ったら、なんだかうつ病と真正面から向き合えるような気持ちになったのです。
やりたいことをやろうと思った
私は、当時、仕事らしい仕事もしていなかった。正確には、パートでちょこっと働いていたのですが、その仕事は、やりがいもなく、好きでもないことでした。
だから、やりたいことを見つけて、それがビジネスになればいいな、と思ったのです。
ちょうど、その頃に、ネットビジネスという存在を知りました。
ですが、ネットビジネスは、稼げると聞いていたのに、一向に稼げる気配がない、これっていうのは、参入ジャンルややり方が間違っているのではないか、と思い試行錯誤を続けました。
そして、ようやく情報発信ビジネスというスタイルに落ち着いたのですが、これが取り組んでいて楽しいのです。
稼げるという以前の楽しさがあったのです。
何かコンテンツを作ること、メルマガを書くこと、などなどが取り組んでいて楽しい。
これだなって思いました。これが今まで見つけられそうで見つけられなかった、「やりたいこと」だと。
時過ぎて
うつ病っていうのは、本人が一番辛いのですが、周りにいる家族も同様に辛い。
そんな風に、普通に思えることができて、普通に考えることができるようになり、やりたいことを見つけた。
うつ病を受け入れるのは、簡単ではありません。
そして、気持ちの中でうつ病を受け入れたとしても、体や思考が元に戻らないので、心から受け入れるには、時間がかかります。
ですが、薄皮をはがすように少しずつでいいので、自分がうつ病だと受け入れて、そして、それを自覚して、できることから始めてみるということがとても重要なのだと思います。
今、うつ病を受け入れることができずに苦しんでいるなら
うつ病は、心が疲弊してしまって、それが体調の変化になって現れてきます。
心が疲弊してしまっているので、自分が今どんな状態なのか、実はよくわからないと思うんです。
さらに、うつ病になってしまったのは、会社のせいだとか、夫のせいだとか、そんな風に普通以上に思い込んでしまう。
もちろん、原因は、過重領導だったり、夫婦間の軋轢だったりしますが、それをことさら深く考えてはいけないと思います。
会社が原因なら、休職してみるとか、転職してみるとか。夫婦間の問題であれば、いっときでも、別室で寝てみたりとか、何か工夫をすればいい。
できることなら、一人じゃなくて、信頼の置けるパートナーと相談してみる。
そして、そのパートナーにも、ちゃんとうつ病を理解してもらい、一緒によくなるような手段を探す。
このようなことができれば、自然とうつ病を受け入れることができるようになってくると思いますし、受け入れることで改善に向かうはずです。
今、なかなか受け入れられないという場合は、ちょっと一人になってうつ病を勉強してみてはいかがでしょう。
すると食事や睡眠などが、とても関連性が高いということもわかってきますし、何よりも自分がどんどん楽になっていきます。
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。